人の張り詰めたものに、触れられる人でありたい。
人の張り詰めたものに、触れられる人でありたい。
私がマッサージの世界に興味を持った、最初のきっかけ。
それは、昔テレビで見た、ひとりのエステティシャンの施術でした。
フランスのエステティシャン。
確か、名前はローズさんだったと思います。
女優さんがローズさんを訪ねていき、オイルのボディマッサージを受ける。
そして、施術が終わったあと。
その女優さんの目から、涙が溢れていました。
何か悲しいことがあったわけでもない。
悲しい話を聞いたわけでもない。
ただ、身体に触れてもらった。
それなのに、涙が溢れている。
その光景が、なぜか私の中に強く残りました。
「人の身体に触れることで、こんなことが起こるんだ」
それが、私の原点だったのかもしれません。
⸻
人は、生きていく中で、
たくさんのものを抱えています。
頑張らなければいけない。
ちゃんとしなければいけない。
人に迷惑をかけてはいけない。
自分より誰かを優先しなければいけない。
本当は嫌だと思っていても、
違和感があっても、
言いたいことがあっても、
「まあ、いいか」と蓋をする。
そうやって、自分を後回しにしながら生きることは、きっと誰にでもあることだと思います。
私自身も、そうでした。
もちろん、自分は幸せだと思っています。
でも、人はひとりでは生きていけないから、
人と関わる中で、我慢したり、合わせたり、
頑張ったりする。
そうしているうちに、
気づかないところで身体も心も
少しずつ緊張していく。
まるで、ずっとピンと張った糸のように。
⸻
だから私は、
そんな人の「張り詰めたもの」に触れられる人になりたい。
と思うのです。
筋肉を緩めるだけではなく。
身体を整えるだけでもなく。
その人が、
ほんの少しの時間でも
「もう頑張らなくていい」
と思えるような時間をつくりたい。
委ねても大丈夫。
力を抜いても大丈夫。
何もしなくても大丈夫。
そんな安心を、
手から伝えられる人になりたい。
それが、私がずっと「触れ方」にこだわってきた理由なのだと思います。
⸻
そして今、私は思います。
私自身がそういうセラピストになりたいだけではない。
そんなセラピストを育てたい。
技術や知識を身につけることだけが、
上手なセラピストになることではありません。
どんな気持ちで触れるのか。
どんな身体の使い方で触れるのか。
どんな「在り方」で、その人の前に立つのか。
そこに、その人の手は現れる。
人は、
安心できる手に緩むのではなく、
安心できる人に緩む。
だから私は、
手技や知識だけを教える学校にはしたくない。
その人の身体に触れたとき、
その人が「もう頑張らなくてもいい」と感じられる。
そんなセラピストを育てたい。
昔、テレビ越しに見た、
ひとりの女性の涙。
あの日、私の心に触れたものを、
私は23年経った今も追いかけているのかもしれません。
そして今度は、
私の手で。
そして、
私が育てるセラピストの手で。
誰かの張り詰めたものに、
そっと触れられる人を増やしていきたい。
それが、私がこの仕事を続けている理由なのだと思います。
KAORI
エグゼティシャンアカデミーOsaka
住所:大阪府大阪市西区京町堀1-8-12 エクセル靭601
NEW
-
2026.09.06
-
2026.09.03オイルマッサージにお...オイルマッサージにおける「本当の密着」とは 「も...
-
2026.09.02まず、自分の身体から。今日、生徒さんと授業をしていて改めて思ったこと...
-
2026.09.01身体の緊張を、無理に...身体がいつも緊張していると、「もっと力を抜かな...
-
2026.08.28「もっと勉強しなきゃ...技術があるのに、お客様が来ない。その理由は「足...
-
2026.08.24技術が上手い人と、技...技術が上手い人と、技術が気持ちいい人は、必ずし...
-
2026.08.23マッサージの真の回復...「気持ちいい」だけの何が悪い?マッサージの真の...
-
2026.08.23マッサージの真の回復...「気持ちいい」だけの何が悪い?マッサージの真の...
CATEGORY
ARCHIVE
- 2026/094
- 2026/0810
- 2026/076
- 2026/068
- 2026/0511
- 2026/048
- 2026/037
- 2026/028
- 2026/017
- 2025/123
- 2025/111
- 2025/105
- 2025/082
- 2025/072
- 2025/062
- 2025/031
- 2024/121
- 2024/1117
- 2024/1018
- 2024/0918
- 2024/0819
- 2024/0714
- 2024/068
- 2024/0511
- 2024/0410
- 2024/0310
- 2024/0220
- 2024/017
- 2023/121
- 2023/111
- 2023/106
- 2023/098
- 2023/089